119期生は本格デビューから3カ月余りが経過。犬伏湧也、志田龍星、山根将太らが三強と称されるが、S級特別昇級一番乗りの吉田有希、上野雅彦はS級初戦で爪痕を残した。次代のスター候補生として期待を抱かせる選手の宝庫だ。
その新人の中でも徹底先行で戦う徳田匠(24・京都、写真)の思い切りの良いレースぶりが印象に残る。プロのロードレーサーとして活躍する兄2人を追って自転車競技を始め、鹿屋体育大学時代は国体でケイリン3位など活躍した。「大学時代は自転車競技を楽しみました」といろいろな種目にチャレンジ。卒業後は高校の先輩・畑段嵐士の師事を受け、競輪界の道へと進んだ。
日本競輪選手養成所では冷静なレース運びで白星を挙げ、在所成績10位で卒業。デビュー後も力を発揮して、9月の豊橋決勝で特別昇班に王手を懸けたが、同期の九州作戦の前に3着に敗れ連勝は8で止まった。
「ショックはありました」とその後の向日町も連勝で勝ち上がりながら、決勝は5着に敗退。「自分のミスもあったが、何もできなかった。根性がなかった」と反省の弁が出た。ただ、最終バックを取った時は全て1着で突破。前々と攻め切った時は自慢の強地脚を生かし、無類の強さを発揮している。
反面、「捲りの打てるスピードがないので、その強化が課題です。今の理想型は同期の志田(龍星)君。長い距離も踏めて捲りも打てるので」と言う。同期に追いつき、追い越せ。今後も日々、精進あるのみ。直前の奈良(8~10日)チャレンジ戦も連日、最終バックを取る果敢な競走で完全Vを達成。119期指折りの徹底先行型として、上位のステージで大暴れする日も近いだろう。
【記者コラム】徹底先行で大暴れ(119期)徳田匠
2021/10/13