岸和田競輪高松宮記念杯西日本勢東日本勢


●ハ イ レ ベ ル 西 日 本 勢

清水 王者に挑む


 昨年の競輪祭決勝3着で年末のKEIRINグランプリの切符をゲットし初出場。結果は4着だったが、超一流相手に臆することなく力は出し切った。
 
 その勢いで年頭の立川記念を制し破竹の進撃開始と思われたが〝好事魔多し〟。2月全日本選抜で左鎖骨々折に見舞われた。試練の時を迎えたが、3月大垣ウィナーズCで早くも復帰。松戸選手権では堂々決勝2着。あの脇本相手に中団からの先まくりで好勝負を演じる見事な実戦だった。
 
 「自信にはなりました。ただ、昨年ならこれで満足していたけど、今回の準Vは悔しい感じがしたし、自分でも成長したかなと思う」とひと皮向けた印象だ。
 
 5月の全プロ記念競輪はらしさが見られなかったが、一大勢力となった中四国勢でも存在感は際だっている。練習では「ケガをする前の80%ぐらい」とのことだったが、本番までに調整期間はあった。脇本断然の評価ではあるが、本来の勢いを取り戻せば難敵を撃破し頂点に立っても不思議ではない。
 

古性 燃える地元勢


 舞台は岸和田。地元で迎えるGⅠ開催とあれば古性に燃える材料がそろった。
 
 松戸日本選手権の決勝戦は王者・脇本マーク。強烈にカマした脇本の踏み出しに離れることはなかったが、最終4コーナーで絡まれて4着。悔しい結果に終わったものの「最後はいっぱいになったけど、感覚的には前より手応えはあります」。GⅠ決勝では最高となる4着はステップアップの証。本人は「いろいろ課題も見つかった。脇本さんに付いて行くことが基準になるし、しっかり差せるように練習します」。その成果を今大会でいかんなく発揮してほしい。
 
 普段の古性は淡々とししているが、レースになると一変。気性の勝った攻めが持ち味。「ヨコはいつでも出せるし、タテ基本のレース」。さっと中団を取ってのまくりを主武器に、カマシ先行あり、飛び付きもありと縦横無尽に立ち回る。
 
 西日本の特選スタートのアドバンテージを生かして決勝戦の晴れ舞台に立つ。
 

西日本 先行予想

 
 〝異次元の走り〟。今の脇本に他の選手はなすすべはない。松戸選手権は21年ぶりとなるGⅠ完全Vの快挙。圧倒的な強さで競輪界を席巻するが、20年東京五輪でのメダル獲得を目標に向けてさらに進化中だ。
 
 直前のロシア・トゥーラで開催された「トゥーラGP2019」でケイリンとスプリントで2冠を達成。世界でもトップクラスのスピードを見せつけた。ルール改正となって一発目のGⅠ開催となるが、どこ吹く風とGⅠ連覇へ疾走する。
 
 宮杯連覇を狙う三谷竜は2月全日本選抜での落車後(左肩鎖関節脱臼)らしさが影を潜めている。昨年はきっちり脇本を逆転しているだけに万全の状態なら好勝負を演じるか。
 
 地元・古性が並々ならぬ気迫。日本選手権の決勝は脇本マークで4着。踏み出しには離れなかっただけに今度こその気持ちだ。
 
 村上兄弟も相変わらず存在感を示している。近畿主力の構成なら貫禄のレース運びで台頭の場面は十分。
 
 中四国勢が強力ラインナップ。昨年末のGP初出場で箔(はく)を付けた清水、スピード先行で加速度を増す太田の大砲2台が王者・脇本に力勝負を挑む。レースセンスはピカイチ。松浦が自在型として大きく飛躍。今の勢いがあればGⅠ初Vも夢ではない。
 
 脇本と同じナショナルチームで競う深谷。加速が付いた時の爆発力は依然圏内。大味な競走だが、中川もつぼにはまった時の一撃は魅力いっぱい。まくり主体の自在戦で臨む山田や山崎も売り出した頃の勢いを取り戻せば風雲を呼ぶ存在。