爆発力ナンバーワン
新田 祐大
新田は北日本勢の先頭を走る。佐藤―守沢を従えるレースに向け「サマーナイト(フェスティバル)あたりから仕上がりが良くなって、8月以降は来年(東京五輪)に向けても練習してきた。積極的なレースを続けたことが、今回のグランプリにつながったと思う。優勝を目指してしっかり頑張る」と気合を入れた。
ナショナルチームの同僚でもある脇本が平原とラインを組むことを決断したのを受け「脇本は日ごろから暮らしをともにしているチームメート。でも、競輪では先輩としての立ち位置を意識している」とライバル心を燃やした。
今期の競走得点は新田が121.79、脇本が120.78。ランキング1、2位による頂上決戦ともなるだけに、なんとしても輪界トップの爆発力を誇示したいところだ。
そんな新田にとって、やはり来年の東京五輪が大きなモチベーションになっている。
今年の延期発表直後はモチベーションが低下したというが、家族や日本代表のブノワ・ベトゥ短距離コーチらの激励に奮起。国内では群を抜く爆発的なスピードだけでなく、持久力など苦手な部分の底上げも図っていく。
日本発祥の種目ケイリンは00年シドニー大会から五輪の正式種目に採用されながら、日本勢は銅メダルが過去最高成績。2大会ぶりの五輪となる新田は地元開催の大舞台で、悲願の金メダル獲得を狙う。
「東京五輪は誰でも憧れる舞台。日本代表として調子を上げていく。五輪までに競輪も競技も、どの大会に出るかは決まっていないが全力で臨む」と求道者らしい決意を固めた。
♤ 新田 祐大 (にった・ゆうだい)1986年(昭61)1月25日生まれ、福島県出身の34歳。白河高―日本競輪選手会。19年世界選手権ケイリン2位。19~20年シーズンにW杯のチームスプリント2連勝。05年競輪デビュー、GⅠ8勝。1㍍72、86㌔。