関東期待の若獅子・黒沢征治に熱視線。今年は昨年以上の活躍を見せていて頭角を現している。3月広島で開催された玉野記念で優出。GⅠ高松宮記念杯、GⅡサマーナイトでは準決に進出と、大舞台でも持ち味を存分に発揮して躍動している。元々、徹底先行のスタイルで奮闘していて、仕掛けには迷いがない。直近では組み立てにも柔軟性が出てきたことが、好成績につながっている。先行した時の粘り腰は本物で、それに加えてスピードの強化にも成功して捲りの威力がアップしている。

 5月函館、川崎ではいずれも完全Vを達成。FⅠでは争覇級の脚力を身に付けていることを証明した。直近では7月富山記念の初日特選で岩本俊介、竹内雄作、稲垣裕之らを相手に鋭く捲って強豪を撃破。ラインでワンツーを決めた。「捲り切れたのは自信になる。結果は出ているので、あとは気持ちで負けないように」と結果を残して着実に自信も増している。

 その後もGⅠオールスター、松戸記念では最終バックを取るレースを身上に奮闘している。今回は地元のエース平原康多に加えて、タイトルホルダー宿口陽一も参戦して埼玉勢は実に層が厚い。後ろの援護は確かなだけに、ド迫力の仕掛けにも拍車がかかる。競輪界の一線級にまで成長を遂げている若獅子が、ダイナミックな攻勢で今回も躍動する。