2013年3月24日「第66回日本選手権競輪」

2013年3月25日付スポニチ本紙記事より抜粋

 村上が2度目のダービー王――G1「第66回日本選手権競輪」の決勝戦は3月24日、立川競輪場で行われ、村上義弘(38=京都・73期)が優勝。賞金6000万円と「グランプリ2013」(12月30日=立川)の出場権利を獲得した。村上のダービー優勝は11年の名古屋以来2回目、G1優勝は4回目。なお完全優勝に挑んだ深谷知広は2着、グランドスラム達成を目指した山崎芳仁は3着だった。

◇北5人衆も深谷も封じた

 己の競輪道を貫いた村上が2年ぶり2回目のダービー王に輝いた。

 決勝戦9人のメンバーが決定した23日夕方。村上は「単騎で自分の走りをする」ことに迷いがなかった。深谷の後ろからレースを運ぶという選択肢もあったが「自分が今までやってきた走りがあるからこそ後輩たちが頑張ってくれる。自分の走りをすることが仲間への礼儀だと思う」と村上ならではの決意だった。

 5人の北日本勢と絶好調の深谷相手に厳しい戦いが予想された決勝戦。グランプリ2012以来の単騎戦は「後方にならないように前々に攻めてあとは流れに対応する」という自分の経験と競走本能に懸けた。武田の後ろに入る展開になり「最終2コーナーで出ようかと思ったが、武田さんが出そう」と瞬時に判断。武田のまくりに乗り、ゴール線を先頭で駆け抜けた。

◇あすGP祝勝会 良い報告できる

 「日本選手権は(G1の中で)一番思い入れがある大会。優勝できてうれしい」と詰めかけたファンの声援に笑顔で応えた。2年前の名古屋ダービー優勝は「自分の人生の中で一番欲しかったタイトル」と喜び、今回は「1番車(グランプリ覇者)の責任がある立場なので」と喜びとともにホッとした一面も見せた。

 あす26日は京都市内のホテルでグランプリ優勝の祝勝会が行われるため「その場でいい報告ができるのもうれしい」と笑った。また村上の3人の娘は3月23日が次女、同26日が三女、同31日が長女の誕生日なので「いいプレゼントが買えて(笑い)いい誕生会になります」と村上家は笑顔が満開だ。

 立川ダービーを制覇して立川グランプリの出場権利を獲得。「今後も一戦一戦頑張るだけ。近畿はいい先行選手が育っているので与えられたメンバーの中で自分のレースをする」。村上の競輪道に迷いはない。(中林陵治)