ダービー王の実力

山口 拳矢

 競輪界に新たなスターが誕生した。超新星、次世代のエースとして近年期待されている山口拳矢。今年もビッグ戦線で大仕事を成し遂げた。2月の伊東でGⅢ初制覇を果たすと、その勢いのまま同月別府、4月福井、富山とFⅠを3V。さらに勢いは加速していく。5月の平塚日本選手権決勝では脇本雄太、新山響平、犬伏湧也ら輪界を代表する強豪を相手に、俊敏な運びで4番手を確保すると、直線で鮮やかに伸びてGⅠ初Vを達成。ダービー王に輝き、名実ともに〝最高峰〟の称号をほしいままにした。

 その後は若干トーンダウンも7月向日町でV。函館サマーナイトで優出すると名古屋記念では新田祐大らを相手に優勝を飾り、トップ選手の実力を証明した。8月オールスターでは落車もあり後半戦はさえを欠いた。直前の青森共同通信社杯では1月ぶりの実戦に。「しっかり練習はしたけど、絶好調ではない」と復調途上も、2勝の活躍で改めて地力の高さを見せた。特に最終日はインを切って3番手を確保すると、直線で佐藤慎太郎との伸び比べを制して勝利。的確な組み立てと屈指の勝負根性が光った。走るごとに力強さも取り戻している。今回もS班並みの実力を要所で発揮して、今年3度目のGⅢVを狙う。

 ◇山口 拳矢(やまぐち・けんや)1996年(平8)1月26日生まれ。岐阜県出身の27歳。117期。21年9月に共同通信社杯(岐阜)で史上最速のGⅡ優勝を達成。今年5月の日本選手権(平塚)でGⅠ初制覇。通算成績は257走125勝。27V(GⅠ1V、GⅡ1V、GⅢ2V)。父は幸二氏(62期・引退)、兄は聖矢(115期)。1㍍66、70㌔。血液型A。


地元の牙城守る 
【浅井康太】
 


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