深谷は昨年9月のGⅡ共同通信社杯で約9年ぶり5回目(10年ヤングGPは除く)のビッグタイトルを獲得。新山響平の単騎カマシを追った同県の渡辺雄太を、ギリギリまで援護しての見事な追い込み勝利だった。逆に、単騎での戦いとなった暮れのグランプリでは、新山響平を叩いた脇本雄太―古性優作の上を猛然と捲りに行き、最後は松浦悠士に差されながらも、見せ場たっぷりの準優勝だった。その差¾車輪。その〝¾車輪〟をどう詰めるかが、今年の課題となりそうだ。
今年はすでに大宮→川崎→静岡と記念を3本消化。川崎では盟友郡司を5回目の地元記念Vへ導いた。愛知支部時代〝平成の怪物〟と言われた深谷知広は、もはや南関地区に欠かせない存在だ。とくに郡司との信頼関係は南関随一。いや、輪界でも一、二を争う強固なものになっている。
郡司は昨年のグランプリ出場を果たせず、19年から履き続けてきた〝赤パンツ〟を脱いでの戦い。SSの重圧から放たれ、岸和田(FⅠ)→川崎記念で2場所連続Vと絶好調だ。直前の静岡記念は初日特選で深谷の後ろ、決勝は深谷の前で風を切る流れ。あと一歩のところで清水裕友に深谷の静岡記念初Vを阻止されてしまったが、状況に応じて前後入れ替え可能な変幻自在のコンビネーションは大きな強み。今大会でも大注目されることだろう。