競輪界最強の脚力を誇る福井のスピードスター・脇本。昨年は純白のチャンピオンユニホームをまとってのプレミアムイヤーだった。グレードを問わず王者の貫禄を示していたが、8月のオールスター(西武園)の落車で肋骨、肩甲骨骨折などの大ケガを負ってしまう。9月の共同通信社杯、10月の寛仁親王牌への出場は断念し、約3カ月後の四日市記念で戦線復帰。脚力の落ち込みはそこまでなかったが、肺気胸、肺挫傷による呼吸器系へのダメージや、レース後の疲労感を気にするシーンも見られた。

 今年に入ってからも大宮記念は急性上気道炎で3日目以降を欠場。次節のいわき平記念では初日快勝も、2日目に落車、途中帰郷と悪い流れが続く。頭部打撲で全治10日という診断だった。日程的には治療期間ぎりぎりなだけに、ケガが完治していても、練習に費やせる時間は限られてくる。どこまで調子を上げることができるかが大きなポイントとなるだろう。

 そんなときこそ、女房役の古性が頼もしい走りで脇本をバックアップする。昨年はグランプリこそ4着に終わったが、年間GⅠ3Vという離れ業を達成。年明けの和歌山記念でも寺崎浩平との好連係で優勝。次節いわき平の準決勝4着は山田庸平の番手捲りを仕留めきれなかったものだが、好調の流れを止めるような敗戦ではなかった。むしろGⅠ前に気を引き締めるいいキッカケになったと受け止めたい。

 昨年も一昨年も、この全日本選抜Vでグランプリ一番乗りを果たしている。目指すは競輪界のレジェンド・中野浩一氏でもなし得なかった大会3連覇。もちろん近畿地区での勝利が大前提の話にはなるが、それを全て遂行した上での偉業達成となれば、また格別だろう。古性の一挙手一投足に注目が集まりそうな4日間だ。


拳矢 地元で躍動
深谷 南関の結束
真杉 関東の意地
松浦 中四国の絆

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