さぁ、頂上決戦!12月30日に静岡競輪場で「KEIRINグランプリ2024」が行われる。選ばれし9戦士による今年の総決算。主役は今年GⅠ2Vで獲得賞金ぶっちぎり1位の古性優作(33=大阪・100期)。盟友・脇本雄太(35=福井・94期)とのタッグで3年前の当地GPに続く、2度目の制覇を狙う。ただ、輪界トップの争い。差はなく誰にもチャンスがある構成だ。3日後に迫った1億4000万円(副賞込み)バトルの行方を占う。
強い、崩れない。今年も間違いなく古性が輪界の中心にいた。昨年はGⅠ3勝。今年はGⅠ2勝も、ビッグレースで決勝を外したのは準決で失格した競輪祭だけ。73走して3着以内率が83・5%と絶対的な安定感があった。獲得賞金も現時点で2億4000万円越え。2位に1億円以上の差をつけている。ただ、本人は「窓場(千加頼)君や寺崎(浩平)君が成長したおかげでタイトルが獲れた。個人としては昨年よりも劣ってしまっている。成績は満足できない」と首をかしげる。目指しているところは相当に高い。
ハイライトはやはりGⅠ2冠。初めてファン投票1位となり出場したオールスターは修正力が目立った。開催序盤は「フォームがやばい」と不満顔。何とか改善しようと、何度も映像でフォームを確認していた。そして入念にイメージと動きをすり合わせることで、日ごとに状態は上向き。決勝は急成長した同期・窓場千加頼の番手から鋭く差し脚を伸ばし、栄冠を勝ち取った。
寛仁親王牌は決勝でとてつもない技術と判断力を見せつけた。寺崎浩平―脇本雄太の3番手だったが、別線の抵抗がありラインは崩壊。それでも、冷静に別線を追った。最後の4コーナーは前走者の後輪から前輪を引っこ抜く圧巻のハンドルさばき。そして、「体が勝手に反応した」と空いた内を逃さず突き抜けた。まさに展開不問の強さだった。
グランプリは4年連続4回目。初出場の4年前は今回と同じ静岡だった。単騎ながら好位を確保し豪快捲り。初タイトルから一気に今の地位を確立した。今回は単騎ではなく、脇本とのタッグで静岡GP連覇を狙う。「宿舎から富士山も見えますし、走っていて気持ちがいいバンク」と常に頂点を狙う男にとって、日本一の麓は水が合う。
現在の目標は「ダブルグランドスラム」。とんでもないものを目指している。誰かがやってきたことは興味がないという古性。グランプリを加えた〝ダブルゴールデンスラム〟も当然ターゲットに入ってくるだろう。これで勝てばグランプリは2Vで完遂。さらに22年に脇本の年間最高獲得賞金額も大きく更新する。直前には「自分の力を上げるために1日を無駄にすることなくトレーニングしている」と余念なし。〝やっぱり今年は古性の年だった〟と、ファンに言わしめてくれるはずだ。