A級1・2班戦展望

林昌幸
強力な自力選手が多数参戦する中でも、注目は林昌幸(23=愛媛)と五十嵐稜(25=福島)の2人となる。どちらも今期はここまで優勝5回と現在の1、2班戦ではトップ級の実力者といっていい。
その実力は甲乙つけがたいが、前期S級での活躍ぶりからすれば、林を主役に推したい。昨期は積極的な走りで1着を量産し、8月名古屋では待望のS級初優勝をパーフェクトで飾った。最上位クラスでも十分に通用する実力を示し、今後のさらなる活躍が期待されている。
直前の久留米フラワーカップではワンツーフィニッシュを決めた滝本幸正―永井哉多の早い仕掛けを捲れず7着に終わったが、4月久留米、5月広島で連続V、2場所前の和歌山決勝でも強敵相手に単騎で4着に食い込む力走を見せ、脚の状態に不安はなさそうだ。
五十嵐は強烈な捲りを武器に、一般開催では5Vに加え準V3回の好成績。S級では昨年10月の西武園で準優勝しており、林と共に実力上位の存在であることは間違いない。5月岸和田では準決4着で一般開催では今季初めて決勝を逃しており、そこからどこまで立て直してくるかに注目したい。

藤田楓
林、五十嵐に続くのは新鋭・藤田楓(23=岡山)。4月熊本では3連勝で1、2班戦初優勝すると続く小松島で2場所連続完全V。5月大垣では初日2着で特別昇班を逃したものの、2日目から連勝して3場所連続優勝を飾った。直前の弥彦でも3連勝で頂点に立ち、ここ5場所で優勝4回と破竹の勢いで武雄に乗り込んでくる。
昨年12月のチャレンジファイナルで1、2班戦に昇格後には結果を追い求めるあまり自分の持ち味を見失って苦戦が続いた。1月小倉では中途半端な仕掛けが不発に終わったうえに後退している途中で他車と接触し落車。体と心に大きなダメージを負ったという。
このアクシデントが藤田にとって浮上への大きなきっかけになった。負傷のためレースを休んでいる間にここまでの自分の走りを細かく見直すことができ、また同地区の先輩選手からのアドバイスもあって、自分の中にあった迷いを断ち切ることができたという。
今の好調を維持できれば、藤田が上のステージに進む日はそう遠くないはず。父で師匠の昌宏とS級で連係するという夢の実現へ、確実に近づいている。
九州勢は中川聖大(27=福岡)が中心。捲り、カマシの破壊力はバツグンで、今期は4月の和歌山の優勝を含めコンスタントに決勝に進むなど成績は高いレベルで安定している。
直前の平塚決勝では、若い菊地圭の捲りに捲られてしまったが、3着に粘り込んで確定板を確保した。強力な自力型が揃い激戦必至だが、すんなりと自分のペースで仕掛けることができれば、中川にもチャンスは十分にありそうだ。
追い込み中心に自力もある神開一輝 (32=福岡)も展開次第では上位争いに食い込む力は十分にある。高橋幸司(38=沖縄)は2月別府の優勝以降もコンスタントに1着になっており、積極果敢に攻める走りは侮れない。
関東勢は馬場和広(35=埼玉)、山崎輝夫(35=埼玉)、内田英介(44=東京)と充実したメンバーが揃った。特に山崎は2場所前の大垣では準Vと健闘した。追い込みを軸に捲り兼備のタテ脚は健在で、混戦になったときは要注意だ。
馬場は直前の青森初日に失格になっているだけに、ここは必死で挽回しにくるに違いない。
高市訓但(38=愛媛)は病気欠場からの復帰戦で体調は気になるが、その前は4月前橋、5月松戸と2場所連続で準Vと力はあり、初日の走りに問題がなければ活躍が期待できる。同県の林との連係なら逆転Vも視界に入ってくる。
中四国勢では谷元奎心(25=山口)の自在な走りに要注意だ。


