主役は譲らない
浅井 康太
9年連続のグランプリ(GP)出場を懸け、貪欲に挑んだ直前のGⅠ競輪祭(小倉)で浅井康太は、まさかの未勝利に終わってしまった。「2走目に厳しい状態だと感じた。最後まで修正できなかった」と肩を落としたものだ。確かに動きは鈍かった。本来の鋭さは影を潜め、すっかり〝らしさ〟を欠いていた。
それを象徴するかのように今年は低空飛行。常にGⅠの優勝争いを演じてきた浅井が、今年、ここまで優勝なしとは誰が予想しただろうか。その競輪祭から中4日。急激に上向くことは考えづらい。しかし、SS班からの参戦は浅井のみ。意地、プライドにかけてシリーズリーダーを務めることだろう。
当地は今年2月のGⅠ全日本選抜の準決で山中秀将にゴール直前で追突。物議をかもす失格を喫した。7月サマーナイトも未勝利に終わるなど相性はピリッとしないが、その分リベンジの思いは強い。
竹内雄作、不破将登ら中部の援軍は頼もしい。彼らとの連係で浮上を果たすだろうし、仮に決勝で目標不在の構成になりはしても、前々とさばくフットワークを駆使し、見せ場を作る。通算26回目の記念Vを目指す浅井は同時に別府を復活の場にするつもりだ。