「松阪肉!丸中本店カップ四五百賞スポーツニッポン賞」(FⅠ)は29日、松阪11RでS級決勝が行われ、4コーナーで鋭く内を突いた竹内智彦(42=宮城・84期)が2年ぶりの優勝を飾った。自らまくりを打った井上昌己が2着、3着には大外をまくった長島大介が入線した。
打鐘から松井と竹内雄で激しい主導権争いに発展。目標の長島が自ら外を踏んだ井上に捲りを合わされてしまったが、竹内智は実に冷静だった。「4コーナーで外を踏んでもダメだと思ったので、内が空くのを待っていた。(内で)牧さんが遅れていたので、(井上)昌己にスイッチして全力で踏んだ」
冷静かつ的確な判断力と、Vへの執念が2年ぶりの美酒を呼び込んだ。「新車のセッティングが出てなくて、直前にハンドルを換えた。回すことができないので踏みっきりで、逆にそれが良かったのかな」。試行錯誤しながら発展途上の段階でも結果を残すあたり、一流の証だ。
「前回は林(雄一)に抜かれて、(3月)平でも(佐藤)慎太郎さんにかわされて(決勝で)2着が多かった。その中で、このメンバーで優勝できたのは大きい。記念Vに匹敵する」。近況はなかなか結果が出ず歯がゆい思いをしたが、きっかけをつかみ勢いに乗る。次走はGⅢ小松島記念(7月4日~)。自信を取り戻した実力者のハンドルさばきに注目だ。
♤竹内 智彦(たけうち・ともひこ)1977年(昭52)4月29日生まれ。宮城県出身の42歳。00年4月前橋で84期生としてデビュー。同年4月松戸で初優勝、04年前橋でS級初優勝。03年ふるさとダービー出場を皮切りに特別競輪の常連として活躍。通算318勝35V。同期には笠松信幸や渡部哲男がいる。