村上博幸が初の夜王―。ＧⅡ「第15回サマーナイトフェスティバル」の決勝戦は15日、大分・別府競輪場で行われ、村上博幸（40＝京都・86期）が優勝。賞金1100万円（副賞含む）を獲得した。村上博幸のサマーナイトＦ優勝は初、ＧⅡ優勝は11年２月の東西王座戦以来３回目。また「ガールズケイリンフェスティバル2019」は石井貴子（29＝千葉・106期）が優勝。賞金250万円（副賞含む）を獲得した。石井貴子のフェスティバル優勝は初めて。
 
 村上が14年２月の高松全日本選抜以来、５年５カ月ぶりにビッグレース（ＧⅡ以上）を制覇。「（ビッグ優勝を）忘れていたのでうれしい」と喜びを表した。
 
 レースは「渡辺君の好きなように走ってもらい」勝機を狙った。渡辺が最終２コーナーからまくると「展開が絶好すぎて４コーナーから脚が三角に回った感じ」と思うように車が進まなかった。ゴール直後は「抜いた自信がなかった」が、村上を待つ近畿の仲間から声がかかり、優勝を確認すると笑顔がこぼれた。
 
 決勝に進出した佐藤と小倉の名前を挙げて「追い込み選手が苦しい時代の中で強い先輩達も頑張ってる。そこで優勝できた」。新ルール（５月31日を初日とする開催から実施）に対応して今大会に照準を合わせた練習を重ねて結果を出したことで手応えもつかんだ。
 
 「次の目標はＧⅠ優勝とかでなく、常に強くなることを心がけている」。脇本を筆頭とするナショナルチームのスピードが圧倒的にリードしている中で〝どうやって対応して勝つか〟が現在の課題。「その中で勝てるチャンスが来た時に勝てるように練習する」。高い意識を持って一戦一戦に集中する姿勢に変わりない。（中林　陵治）
 
 ♤村上　博幸（むらかみ・ひろゆき）1979（昭54）４月15日生まれ、京都市出身の40歳。私立花園高卒。01年８月プロデビュー。通算成績は1356戦354勝。通算取得賞金は８億7486万円。主な優勝は、グランプリ2010、ＧⅠ３回。ＧⅡは今回が３回目。１㍍66、69㌔。血液型Ｏ。
 
 男子決勝ＶＴＲ　中川―園田―松浦―小倉―吉田―平原―佐藤―渡辺―村上。残り2周で渡辺―村上が前へ。その上を打鐘から吉田―平原―佐藤で叩くと、松浦―小倉が最終Ｈ巻き返し先行争い。８番手中川は不発。２角から渡辺―村上でまくり、村上がＧ前差す。
 
 次走斡旋　優勝した村上博幸は大垣記念（20～23日）、２着・渡辺雄太は弥彦記念（25～28日）、３着・園田匠は奈良ＦⅠ（24～26日）。