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【記者コラム】有言実行、飛ぶ鳥落とす勢いの黒沢

 各地で活躍している〝113期生〟。その中でも、関東の大砲候補として期待される逸材が黒沢征治である=写真。社会人野球で鳴らした身体能力を武器に、競輪選手の道へ。18年7月の大宮デビュー戦では自慢のパワーを発揮して優勝を飾った。出世競争では同期の松井宏佑や宮本隼輔に後れをとったものの、19年4月小倉で9連勝を達成して、S級へ特別昇級を果たした。

 

 「S級の競走ではみんな強いけど、不安より今は楽しみしかない」。トップクラスの戦いに身を投じてもひるむことなく、むしろイキイキとした姿が実に印象的だ。その姿勢が結果として表れたのが6月四日市の決勝だ。猛抵抗する島川将貴を力で制して最終主導権を握ると、そこからさらに加速して踏み合いをまくってきた飯野祐太を合わせ切ってS級初優勝を飾った。

 

 「さすがにきつかったけど、飯野さんが来ていたのも分かったので全開で踏んだ。最後は気持ちです」。自身の脚力以上に、気迫のこもった走りが結果につながった。

 

 その後の函館記念(GⅢ)では準決進出こそ逃したが、S班の清水裕友や、千葉のスピードスター山中秀将を撃破し存在感を高めた。そして、7月宇都宮では小松崎大地、長島大介ら実力者を相手に完全Vを達成。

 

 「まずはS級で優勝することが目標。それが達成できたらもっともっと上を目指していきたい」。S級初陣で掲げた目標を有言実行して、飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍している。まだまだ経験こそ浅いが、持ち味である強じんな地脚は日々進化を遂げている。記念戦線、その先のビッグ戦線で結果を残す日も決して遠い未来ではないだろう。(栗林 幸太郎)